二人のかくれんぼに気がついたのは庭先南側の空き地をぼんやり見ていたからだった。一昨年8月に古家が片付けられて,門柱だけが残されている。その門柱の後ろに男の子が隠れた。なんだろうと見ていると、歩道にヨチヨチ歩きの小さな男の子が立っている。隠れているのは,おにいちゃんかな。小4年生くらい。弟は周りをみるけど低すぎる視界に、おにいちゃんはみつからない。お兄ちゃんも弟が気がつくようにサインを送るけれど弟にはわからない。頭が重いので無理に上を向くとヨチヨチの子は後ろにひっくりかえりそうだ。どうするのかな。でもおにいちゃんが出て行くと、弟は満面の笑顔。体中で喜んでいるのが、遠くで見ている私にもわかった。
二度めは、散歩の途中、角を曲がると、お兄ちゃんが、植え込みに隠れている。5m先に弟が、周りを見ながら歩いている。私に気づき手を振った。愛想のいい子だ。オートバイが近づいてきたので、弟に近づいたとき、お兄ちゃんが植え込みから走り出てきた。弟は笑い声を上げて喜んでいる。二人とも坊主頭が可愛い。年の離れた兄弟を遊ばせる子どもも、あまり見ない。2度とも、弟が泣いて走り出すこともない。おにいちゃんは絶対見つけてくれる、と弟は信じているようだ。心から。何度でも見たい光景だ。